
第20回 小規模事業者持続化補助金
申請前に押さえたいポイント
賃上げ3%は「時給を上げたら終わり」ではありません。
スタッフの給与実績・比較する12か月・入金までの期間を、一緒に確認しましょう。
基本の補助率は2/3
通常枠に150万円上乗せ。要件を満たす赤字事業者は補助率3/4
両特例それぞれの要件を満たす場合
まず押さえる3つの結論
- 勤続年数だけでは判定しません。 算定対象となるスタッフに、比較する各12か月分の給与支給実績があるかを確認します。
- 1人の時給を3%上げただけでは達成とは限りません。 判定するのは、対象スタッフの「1人あたり給与支給総額」の増加率です。
- 賃上げ特例では2028年3月末までの給与実績が必要です。 機器を早く導入しても、すぐに補助金を請求・受領できる前提で資金計画を立てないでください。
上限額だけで選ばず、給与実績を計算できるか・目標を達成できるかを先に確認しましょう。
01|3%を比較する期間は、この2年間
第20回の賃金引上げ特例は、下記の12か月同士を比較します。 申請日から前後1年という区切りではありません。
給与には給料・賃金・残業代・賞与等を含み、 福利厚生費・法定福利費・退職金は含みません。 パートは正社員の就業時間に換算して人数を計算します。
出典:第20回公募要領第8版 P.9〜11。 採択後は、交付決定までに目標値の設定と従業員等への表明が必要です。 採択発表が予定の2027年3月から変わる場合の提出書類・基準値の扱いは、 最新手引きで確認してください。
02|「1年勤務しているスタッフがいる」とは?
見るべきものは入社日だけでなく、 各比較期間の全月分の給与等を受け取っているかです。 代表者・役員・専従者は、この賃上げ算定の従業員に含みません。 非常勤スタッフは対象に含まれます。
| スタッフの状況 | 申請前に確認すること |
|---|---|
| 以前から勤務し、2026年4月〜2028年3月も給与支給が続く | 両期間の給与実績を比較しやすいケースです。 人数換算や給与の内訳も確認します。 |
| 2026年10月入社 | 基準期間の2026年4〜9月の給与支給がないため、 その期間の算定対象には入りません。 「来年には勤続1年」だけでは判断できません。 |
| 比較期間の途中で退職 | 全月分の給与支給がない期間では算定対象から除外。 対象人数と平均給与を再計算します。 |
| 算定対象のスタッフがいなくなる | 増加率を算出できなくなる場合、賃金引上げ特例の要件を満たせず、 補助金が交付されません。 |
特にスタッフ1名で計算する院は、退職や給与支給の中断が計画に直結します。 一方、「申請時に勤続1年以上が必須」 「同じ1名が辞めたら必ず不交付」と一律に決まるわけではありません。 各期間の対象者・支給月・換算人数で判断します。
産前産後・育児・介護休業等に伴う時短勤務の除外なども公募要領で定められています。 入退職・休業・勤務時間変更がある場合は、 最新の参考資料と事務局の案内で算定を確認してください。
03|「3%アップしたスタッフが1年後も勤務」の比較例
以下は 同じ常勤スタッフ1名が両期間とも全月勤務し、 残業代・賞与・勤務時間の変動がない と仮定した説明用の例です。
| 項目 | 基準の12か月 | 比較後の12か月 |
|---|---|---|
| 毎月の給与 | 250,000円 | 257,500円 |
| 12か月の合計 | 3,000,000円 | 3,090,000円 |
| 増加率 | (3,090,000÷3,000,000−1)×100=3.0% | |
この例では、比較後の12か月を通じて給与を3%上げた実績になります。 ただし、 途中の月から3%上げる場合、年間の増加率は3%に届かないことがあります。
250,000円×6か月+257,500円×6か月=3,045,000円。
基準の300万円に対して増加率は1.5%です。 最終月の月給だけで判定しない点に注意しましょう。
複数名の院では、特定のスタッフ1名だけでなく、 算定対象者全体の1人あたり給与で確認します。 時給が上がっても、勤務時間・残業・賞与が減ると年間給与の増加率に影響します。
04|入金はいつ?「申請から1年後」とは限りません
賃金引上げ特例を利用する場合、補助事業の終了予定日は 2028年3月31日に設定します。 その日までの給与実績で要件を確認するため、 機器の購入・支払いだけが終わっても、すぐ入金される説明はできません。
- 2026年11月5日〜12月15日17時|応募申請 様式4の発行受付は12月4日まで。
- 2027年3月頃予定|採択発表 採択後、見積提出や賃上げ計画の手続を行い、交付決定を受けます。 採択日程は変更の可能性があります。
- 交付決定後|設備導入・販路開拓を実施 まず院側が費用を支払います。 交付決定前の発注・契約・購入は対象外です。
- 2028年3月31日まで|賃上げ実績を確認 比較後の12か月分の給与等の実績をそろえます。
- 実績報告 → 審査 → 額の確定 → 精算払い請求 → 入金 第20回の実績報告提出期限は2028年4月10日。 具体的な支給日は確約されていません。
「申請からちょうど1年後に支給申請」 「機器購入から1年で入金」と固定せず、 設備代・賃上げ分を先に負担できる資金計画を組みましょう。
ここは賃金引上げ特例を利用する場合の説明です。 特例を使わない通常枠まで一律に2028年3月末まで待つという意味ではありません。 また、補助事業終了から1年後の「事業効果等の報告」は、 実績報告・補助金請求とは別の手続です。
05|整骨院で特に注意したい申請ポイント
保険診療に関する取組と、自費の販路開拓を区別
公募要領では、公的医療保険等の給付が適用されるサービスと 同一・類似内容の事業は対象外とされ、整骨院も例示されています。 院そのものが一律対象外という説明ではありませんが、 「保険施術に使う機器だから補助対象」とは考えないでください。
例えば新しい自費メニューを検討するなら、 患者層・料金・告知方法・見込売上を整理し、 保険施術との区分や機器の使用範囲も事前に確認します。 自費と名付けただけで対象になるわけではありません。
機器購入と販路開拓のつながりを説明
ES-5201・ES-4402・ES-8000・エスティマス・EMS・エクスフィットなどは、 機器名だけで対象が確定しません。 単なる更新ではなく、導入によって 「誰に、何を、どう提供し、新規来院や売上につなげるか」を 計画に落とし込みましょう。
採択と交付決定を取り違えない
購入先への見積依頼と、正式な発注・契約は区別します。 採択通知だけで注文せず、交付決定日を確認してから進めます。
相見積・支払証拠・購入後の管理まで準備
機械装置等の発注総額が1件あたり税込50万円超の場合は、 2者以上の見積が必要です。 見積・契約・納品・請求・支払記録をひとまとめに保存しましょう。 税抜単価50万円以上の機器は、 購入後の譲渡・廃棄・目的外使用等にも制限があります。
上限額だけで特例を選ばない
インボイス特例は登録済みというだけでは足りません。 過去の免税期間や創業日等の条件があります。 賃上げ特例も含め、達成できる条件を確認してから希望します。
06|相談前にそろえる資料
- 雇用状況: 各スタッフの入社日・退職予定・勤務時間・休業状況。
- 給与資料: 基準期間の2026年4月以降の賃金台帳、 前年の賞与・残業等の状況、今後の給与計画。
- 雇用契約書等: 所定労働時間・休日・給与条件が分かるもの。
- 院の事業資料: 確定申告書・決算書、従業員数、 過去の持続化補助金の利用と報告状況。
- 導入計画: 希望機器・見積・自費メニュー案・集客方法・支払い資金の見通し。
- 申請準備: GビズIDプライム、 地域の商工会・商工会議所への様式4の相談。
採択後交付決定までには、 採択発表月を終点とする12か月分の賃金台帳等、 実績報告時には実施期限を終点とする12か月分の賃金台帳等を提出します。 役員・専従者を除く補助事業実施場所の全従業員分が必要です。 詳細な算定・様式は今後の公式資料も確認してください。
申請日程
| 申請受付開始 | 2026年11月5日(木) |
|---|---|
| 様式4 発行受付締切 | 2026年12月4日(金) |
| 申請受付締切 | 2026年12月15日(火)17:00 |
申請は電子申請です。 無料の助言を受けた場合も、 第三者支援の相手方・費用等は所定欄に正しく記載します。 GビズIDのパスワードは支援者に共有しないでください。
機器選びの前に、スタッフと資金計画を確認しましょう
治療家SSでは、整骨院の設備選定・導入目的・販路開拓の内容整理を支援します。 申請書作成・申請対応は、 申請者本人または対応可能な専門家と役割を確認して進めます。
LINEで相談する公式情報・確認日
確認日:2026年10月21日。 第20回公募要領第8版(2026年7月21日改版)に基づく説明です。 上記の給与計算例は理解を助けるための仮定であり、 個別の採択・交付を保証するものではありません。
- 第20回公募要領第8版(PDF) :賃上げ比較・従業員はP.9〜11、 保険診療との区分はP.7、設備経費はP.12、 実施期限と報告はP.24以降。
- 公式・申請日程と最新資料(商工会地区)
- 公式・最新資料(商工会議所地区)
第20回の参考資料・FAQ・採択後の手引きには、 確認日時点で未公表のものがあります。 給与の締め・支払日、入退職、休業等の具体的な取扱いは、 最新資料と事務局への確認により判断してください。 公募日程等は変更される場合があります。
