神経痛の同意書を依頼する際の
クリニックへの伝え方
基礎疾患の診療を担当するクリニックと連携しながら、 併存する神経痛症状に対して補助的な鍼灸施術を行うための説明方法です。
「婦人科疾患・糖尿病・高血圧・血流不足が原因の神経痛」と鍼灸院側で断定するのではなく、 医師の診断と基礎疾患の管理を尊重しながら、 「併存する神経痛症状に対する補助的な鍼灸施術」 として相談します。
1 クリニックへの伝え方
クリニックへ同意書を依頼する際は、次の順序で説明します。
- 基礎疾患の診断・治療・経過管理は、引き続きクリニックにお願いする
- 鍼灸院では、併存する神経痛症状の緩和を目的として施術する
- 神経痛の原因や病名を鍼灸院側で決めず、医師に診察・判断してもらう
- 鍼灸施術に当たっての注意事項や避けるべき部位について指示を受ける
- 継続施術となる場合は、再同意時に施術報告書を提出する
2 クリニックへの依頼文例
鍼灸施術に関する診察および同意書交付のお願い
〇〇クリニック
〇〇先生
平素より大変お世話になっております。
患者様は、貴院において〇〇 (糖尿病・高血圧症・婦人科疾患等)の診察・管理を受けておられます。
現在、患者様より以下のような痛み・しびれ症状が継続しているとの訴えがあります。
当院では、貴院における基礎疾患の治療・管理を継続していただくことを前提として、 併存する神経痛症状の緩和を目的に、補助的な鍼灸施術を行いたいと考えております。
お手数をおかけいたしますが、患者様をご診察いただき、 神経痛として鍼灸施術を行うことが適当とご判断いただける場合には、 療養費同意書の交付をご検討いただけますと幸いです。
なお、施術に当たって注意すべき事項や避けるべき部位等がございましたら、 同意書の「注意事項等」欄にご記載ください。 施術経過については、再同意時に施術報告書を提出いたします。
何卒よろしくお願い申し上げます。
鍼灸院名:〇〇鍼灸院
担当鍼灸師:〇〇〇〇
電話番号:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇
3 患者様から医師への伝え方
4 基礎疾患ごとの説明方法
糖尿病の場合
糖尿病そのものはクリニックで継続管理していただき、 手足の痛みやしびれについて診察を依頼します。
「糖尿病については貴院で継続管理いただき、手足のしびれ・灼熱痛・疼痛など、 末梢神経障害が疑われる症状について補助的な鍼灸施術を行いたいと考えております」
「糖尿病性神経障害」と確定するのは医師であり、鍼灸院側では断定しません。
婦人科疾患・更年期の場合
「更年期障害が神経痛の原因」と直接結びつけず、 婦人科疾患と神経痛症状を分けて説明します。
「婦人科疾患・更年期症状については貴院で管理いただき、 併存している頸肩部・腰殿部・四肢の放散痛やしびれについて、 補助的な鍼灸施術を行いたいと考えております」
高血圧の場合
高血圧自体を神経痛の原因として扱わず、 高血圧の管理と神経痛症状を分けて相談します。
「高血圧については貴院で継続管理いただき、 別途認められる〇〇部の神経痛症状について、 補助的な鍼灸施術を行いたいと考えております」
血流不足が疑われる場合
「血流不足からくる神経痛」と断定せず、 血管性疾患や虚血の可能性を含めて医師の診察をお願いします。
「冷感・しびれ・疼痛があるため、血管性疾患等の除外を含めてご診察いただき、 神経痛として鍼灸施術が可能かご判断ください」
5 同意書を依頼する際の重要な注意点
基礎疾患を同意書の病名にしない
鍼灸療養費では「神経痛」が正式な対象疾病の一つです。 「糖尿病」「更年期障害」「高血圧症」などを病名欄の「その他」として申請すると、 保険者による個別判断となる可能性があります。
医師の診察によって神経痛と判断された場合は、 医師の判断により同意書の病名欄「1.神経痛」に〇を付けてもらいます。
同一疾病に対する保険治療との併給に注意
同意の対象となる同一の神経痛について、クリニックで投薬・注射・処置などの 保険治療を受けている期間は、原則として鍼灸療養費の支給対象になりません。
一方で、糖尿病・高血圧症・婦人科疾患などの基礎疾患に対する治療と、 鍼灸施術の対象となる神経痛の管理は、対象疾病が異なる場合があります。 依頼文では、それぞれの治療対象と役割分担を明確にします。
神経痛の原因を鍼灸院で断定しない
基礎疾患と痛み・しびれに関連があると思われる場合でも、 原因疾患の診断や神経痛の確定は医師に委ねます。 鍼灸院は患者様から聴取した症状、部位、発症時期、生活への影響を客観的に伝えます。
地域医療連携における基本的な役割分担
基礎疾患はクリニックで診断・治療・管理
併存する神経痛は鍼灸院で補助的に対応
参考: 厚生労働省「はり、きゅうの施術に係る療養費の取扱いに関する留意事項等」
